躯体とは建物の構造体です。人間でいう
骨であり、筋肉です。
建築物の躯体は、大きく以下の4種類です。
RC造
SRC造
S造
木造
今回は、RC造についてかんたんに説明していきたいと思います。
RC造(鉄筋コンクリート造)の意味
RCとは、Reinforced Concrete(リーインフォースドコンクリート)です。
Reinforcedは補強されたの英訳、Concreteはコンクリート。
コンクリートはセメント、水、砂、砂利が混ぜ合わさってできています。
英語については覚える必要はないのですが、建築では結構略語が使われています。
正式な英語で意味を知ると、なるほど~と理解しやすいことも多いです。
補強されたコンクリートということですが、何によって補強されたかというと
鉄筋によってです。
RC造の特徴(性質)
コンクリートと鉄筋でお互いの弱点を補いあうわけです。
コンクリートは硬くてもろい、すなわち圧縮に強く、引張に弱いという性質があります。
鉄筋は柔らかくて粘る、つまり引張に強く、圧縮に弱いということです。
だから梁においても引張がかかる部分は、より鉄筋量が多くなっています。
なぜ鉄筋なのか?アルミや銅、はたまたプラスチック系ではだめなのか?
コストや加工しやすさという面もありますが、一番大きな理由は
熱膨張係数がコンクリートと近いということです。
熱による体積変化の割合ですが、これが大きく違うと、割れが生じることになり
構造体として成り立たないのです。
RC造は管理の良し悪しで大きく品質がかわる
これが最も大事なポイントです。
他の構造は、工場加工された部材であるのに対し、RC造は現場で成形するということです。
SRC造、S造における鉄骨、木造におけるプレカット材など、基本の骨部分はすでに工場で
寸法や品質が厳密に管理された材料というわけです。
RC造は、鉄筋そのものは工場加工ですが、ほとんど現場で組み立てます。
コンクリートを流し込むための型枠も同様です。
現場で位置決めをし、組立て、コンクリートを流し込み、強度が出て型枠をはずすまでは
品質度合いは、いかようにも変わります。
鉄筋の組立て精度、型枠の組立て精度、コンクリートを流し込む際の密実度合い、
これらはすべて管理によって良くも悪くもなり得るのです。
この品質不具合を減らすものとしてPC(プレキャスト鉄筋コンクリート)工法も
ありますが、それは別の機会で取り上げたいと思います。
RC造は建築の基本である
木造はどうなんだ?という話もありますが、住宅系を除けばやはりRC造をまず
理解すべきだと思います。
S造だと工程進度が早すぎて、わけがわからないうちに建屋ができているという
ことがあります、
特に新入社員から数年の若手までは、基礎から順に作り上げていくRC造で工事の
流れや管理手法を覚えていくのが基本だと思います。
アーキラーニングは若手現場監督の育成支援を通じて
建設業の未来を切り開きます。