前回、仕上工事でパニックになる代表的な要因について
3つの理由を述べました。今回はそれぞれに対しての
対策を考えてみたいと思います。
工種がやたら多いという問題には・・・
1.事前にすべての工種を書き出そう!
時間が減ってくるという問題には・・・
2.仕上進行表を作ろう!
未決定事項があるという問題には・・・
3.仕上一覧表を作ろう!
1.事前にすべての工種を書き出す
何を当たり前のことを・・と思われるかもしれません。しかし意外とこういった地味な作業をはしょっ
ていたりします。ベテランならまだしも、経験の浅い現場監督にとっては、まだまだ新規の工種が数多
く存在します。人間が恐れや不安を抱く最も大きな理由は、そのことについて「知らない」ということ
です。まったく知らない=0とほんの少し知っている=0.1では、天と地ほどの開きがあります。
そして大事なのは事前にこの作業を行うということです。自分ですべてできれば言うことなしですが、
わからなければ先輩に聞いてもよいので、あらゆる工種とその作業を書き出しておきましょう。
その多さに圧倒されると思いますが、未知が既知になるだけでも心理的には余裕がでてくると思います。
2.仕上進行表を作る
これも先ほどと同じで、地味な事前準備作業です。建物のフロアーや代表的な室ごとに、仕上項目順に
マスを作って完了予定日を記入しておきます。実際の作業完了日を記入し、マスを着色して完了を見え
る化していきます。この表を毎日チェックします。できれば作業打ち合わせ室に掲示して、各職方にも
理解してもらうのがよいです。油断すると3日おきとか1週間チェックしていないということになり、
そのうちめんどうになってやめてしまうので、必ず毎日行うようにします。
この表の狙いは、残された工期に対して順調に進んでいるか確認できるということが第一ですが、
めんどうで後回しになっている工事に気が付きやすい(いやでも目に付く)ということです。
時間が減ってくるという焦りは、工事の進捗よりも、やらなければいけないのに手をつけていない
ことへの焦りのほうが大きいのです。
3.仕上一覧表を作る
表作りばっかりですね。結局焦りや不安を解消するには、手を動かす、行動に移すということが一番
なのです。頭の中でぐるぐるシュミレーションばっかりやっていると、不安が大きくなるだけなので
やめたほうがよいです。同じ考えるなら手を使って紙に書き出すほうが、頭の中を整理できるので
おすすめです。
これも先ほどのように、すべてを網羅して一覧表を作ります。内装だけではなく、外装や外構工事ま
で、メーカーやグレード、色、形状、品番などすべての項目を作ります。けっこう大変な作業で、
見落としもあるでしょうが、極力早い段階で作っておきます。まだ躯体工事のときがよいです。
そうすれば、設計事務所にも、こんなに決めることがありますよと前もってアピールできます。
きまった項目は着色していくのも同じです。
以上、仕上工事でパニックになるということへの準備対策を述べました。もちろんこれ以外にも多く
の方法があるとおもいます。ただ言えるのは、頭の中で思う、考えるだけではなく、手を使って書く、
体を動かして管理のために行動するということが重要です。
停止してしまうことが、一番問題なのです。
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