現場管理で最も重要な、安全管理。
基本は、ちょっとした不安全行動に対する
「声かけ」です。
がんがん注意する監督がいる反面、
まったく声かけしない新人現場監督も多くいます。
しかし一歩間違えば重大災害につながる
建築現場では、声かけは避けては通れません。
どうすれば声かけしない現場監督が、声かけ注意できるようになるか考えてみたいと思います。
声かけをしない理由
声かけしない理由は、大きくは以下の2つです。
A 声かけしたい意思はあるが、できないタイプ
B 声かけしようと思わないない、声かけする場面に気づかない
Aタイプは、意思はあるのでできない原因を探り、解消できればよいわけです。
Bタイプは根本的な問題の解決が必要です。
では順に探っていきます。
普段から口数が少なく、最初の一声がスムーズにでない。
そもそもが発声頻度が低いため、声を出すことに構えてしまうパターン。
出せと言って出るものでもありません。
暖機運転というか、アイドリング状態でいる必要があります。
一番簡単なのは、ブツブツ言いながら現場を歩くことです。
現場を観察しながら、気づいたことを小声でささやきながら歩きます。
口が動いている状態なので、聞こえる大きさに変化させるだけです。
注意したら何か言い返されるんじゃないか、気分を害するんじゃないか
と思ってしまい言えなくなる。
自分に自信がないパターンです。新人の間は最も多いパターンだと思います。
まず当然言い返されるものだという認識をもって注意すること。
でないと言い返されたショックでそのまま押し黙ってしまい、イヤなイメージが
残り、さらに注意ができなくなっていきます。
押し黙ってしまうのが、一番だめです。こいつはだめだと烙印を押されてしまいます。
ポイントとして、ひとこと返す言葉を準備しておくことです
そうすると、その場をうまく切り抜けられます。
なんでもいいのですが、たとえば
「〇〇さんがケガしないように思って言ってるんだからねー」みたいに
相手を気遣っている言葉がいいと思います。
先輩に口すっぱく言われるので、がんばって注意している
声かけするが、注意の根拠がよくわかっていないパターン。
先輩や上司に、こんな時は注意しないとダメだ!と教えられたので
がんばって注意しようと思うわけです。
しかしこのときに、注意しなければならない根拠・理由までちゃんと
教えてもらわなかった場合、声かけする根拠が希薄だったりまったく
なかったりします。
そのため、ちょっと状況が変わったら注意すべきことに気づかなかったり
とんちんかんな注意をして、相手にはあ?という対応をされたりします。
そういうことが続くと、ここは注意するところなのか?的外れなこと
言わないかなと疑心暗鬼になり、声かけしようとする気が失せていきます。
これを解決するには、注意する根拠・理由まで教える、
もしくは根拠・理由を必ず聞くことです。
言わなくてもわかってるだろうと考えるのは、怠慢です。
表面上の見えるところだけ教えて、深いところをはしょってしまうと
結局身につかないのです。
声かけ注意できるようになるコツ
まず、無口な人は第一声がでやすいように、アイドリング状態にしておく。
つぎに、絶対言い返されると自分に言い聞かせておき、その返しの気遣いの
言葉を用意しておく。
最後に、そもそもの注意すべき根拠・理由を自分の中にもっておき、
注意するのは相手のためだという自信をもつ。
声かけはコミュニケーションでもあるので、文句いいながら職人さんも次第に
受け入れてくれるようになります。
あきらめずにしつこく声かけするのが大切です。
アーキラーニングは、若手現場監督育成支援を通じて
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