経験の浅い新人・若手現場監督に、工程管理を教える時の3つのポイント!

現場管理の基本のひとつに「工程管理」があります。
新人・若手現場監督にとって、工程管理を
マスターするのはほんと大変です。
というのも、多くの工事・工種について
基本的な知識が必要であり、工事の流れをつかむためには
ある程度の経験がどうしても必要だからです。

こんにちは!
アーキラーニングの藤原です。

新人・若手現場監督を戦力化するための、
講座・研修を行っています。

今日は躯体工事の型枠工事、その中でも
【敷桟】という作業についてお話ししたいと思います。

しかし何年経験したから、明日から工程計画が作れるとか、
何現場やったから工程管理が完璧に理解できた・・・
というものではないですよね。

あなたの現場の若手はどうでしょうか?
しっかりと工程を理解して、工事を進めてますか?
あるいは、工程表を自分でつくって、
多くの職人さんを動かしてますか?

うーん、工程管理をさせるにはまだまだ・・・
どうやったら早く工程について覚えてくれるのか・・・

もしそういう悩み・問題を抱えているなら
以下の内容をを読み進めてもられれば、参考にできることが
あるはずです。

新人・若手にただ工程表を渡して、現場で漫然と工事が進んでいくのを
追いかけさせるだけではダメなんです。

そんな指導(指導になっていませんが)では、いつまでたっても
自力で工程管理できるようにはなりません。
しっかりと工程管理法について教える必要があるんですが、
そのための有効な手順があるんです。
それが以下の3つのポイントです。

①全体を把握させる
②細部を記録させる
③計画させる

それではひとつひとつ詳しく見ていきますね。

目次

全体を把握させる

全体像をつかませる


まず最初に、その工事の工程全体を
把握させる
必要があります。
理由としては、インプットの準備態勢をとらせるためです。

この全体把握をさせないと、
受け身体質になって事前対策ではなく事後処理に
追われるようになってしまいます。

ちょっと???ですよね。
もう少し噛み砕いていきますね。

普通の人は、未経験のことや、まったく予備知識のないことが起こると、
まず最初に理解しようという行動をとります。

けどですね、まったく予備知識がないと、
どこから手をつけていいかわからず
どうしようか考えますよね。そうこうしてる間に
別の新たなことが起こってしまう。

で、最初の事案に手をつけていないにもかかわらず、
次に起こったことについてどうしようか思案していたら、
またまた新しい知らないことが、始まった・・・。

軽くパニックになります。

このような消化不良の出来事が次々と起こると、
その人の処理できる容量をすぐに超えてしまうわけです。
つまり、連続して未知のことに遭遇してしまうと、
通常より早い段階で処理不可能と判断してしまい、
以降処理しなくなってしまう。受け付けなくなってしまうんですね。

そうして、ただ事象が過ぎていくのを眺めるのみとなる。
処理・解決していくための材料、すなわち知識や経験がゼロなら
当然そうなりますよね。
ですので工事(各工種)について基礎知識を習得することが
まずは基本
なんです。

工事の基礎知識があれば、その後の工程管理能力の成長スピードにも
大きく差がでます。

とは言っても、さまざまな理由や制約で基礎教育を実施することが
難しい場合がありますよね。

その場合であっても、おおざっぱでもいいから、
ひととおり全体の流れを説明しないといけない。

まず地鎮祭が〇月○日。
次に着工が〇月○日で杭工事が△月△日まで。
そのあと掘削工事がだいたい○月末までかかる。
基礎工事は△月頭から始まるので、基礎用の足場はこのあたりの
日程で計画して・・・・

マスター工程を、ざざっと説明するわけです。
工事の規模にもよりますが、説明に1時間程度かかるかもしれません。
でもここで端折りすぎてはいけません。

新人・若手の監督たちが概要を理解できる程度には
ていねいに説明しないと、工程概要を説明する意味がありません。

これを3分くらいでやったって、ダメなんです。
流れを理解してもらうことが大事なんです。

当然、説明を受けただけではすぐに理解できませんよね。
そこで、よりしっかりと工事の流れをつかんでもらうための
有力な方法があります。

模写させる


その方法とは、模写です。
マスター工程を模写してもらうんです。
工程表ソフトで作成したのか、エクセルなのか、
CADで描いたものなのか、

それはあまり重要ではないので、同じ手段でなくてかまいません。
大事なのは、手を動かして工程を最初から終わりまで
なぞってもらうこと
なんです。

模写するためには、ひとつひとつの作業、項目を
間違えないようしっかり注視する必要があります。
○○作業のあとには△△作業が続く、14日間かけて・・・
と工程をていねいになぞっていくことになります。
なぞらないと書けないので。

これがですね、データを渡して見ておけよ・・とか、
A3用紙に印刷した工程表を配って見ておけよーと言ったって、
半分の人は見ません。

残り半数が見たとして、理解しません。
いや、理解しないというより理解できないので、
絵のように眺めるだけです。ふーん・・・という感じですね。

見るだけで理解するには、その内容について
最低限の基礎知識がないとムリなんですね。
なので、見るだけで終わらせないために、
模写してもらう必要があるんです。

細部を記録させる


2つ目に行ってもらうことは、細部を記録させることです。
細かく記録させることで、細かい流れに目を向けさせることができます。

具体的には、一日ごとの作業の進捗を記録させます。
これをやる理由は作業量の感覚がつかめるからです。

この作業の進捗の記録をやらないと、小さな変化を
見逃してしまい、小さな気づきを得ることができず、
ぼんやりと工事を見るようになってしまうんです。

具体的に言うと、
例えば型枠工事において、一日一日の型枠が
建て込まれた範囲を日ごとに色を変えて平面図等に色付けしていきます。
そうするとわかることは、

・一日のだいたいの作業量
・作業の進む順序
・未完の部分


これらが把握できます。
この作業を繰り返していくと、なんとなく次に作業するエリアや、
その工種の基本的な流れ、いわゆる工程がわかってきます。
この時点では□が終わるとつぎに△に進むといった程度です。

大事なのは、ここでも実際に手を動かしているということです。
目で見た情報を手を動かしてアウトプット(色塗り)しています。

もし、
その日の作業が進んでいくのを、ただ眺めて何も記録しなければ、
記憶の忘却とともに情報が失われて、
結果、
何の蓄積もなされないということになるんです。

そのときそのときの理解度がたとえ低くても、
継続しているとその人の中に必ず知識・経験が蓄積されていきます。

ただ気をつけないといけないのは、
何について何のために記録しているのかという、
目的をしっかり認識させておかないと、ただの作業に終わってしまいます。

計画させる


最後、3つめのステップです。
それは、自分で計画させるということです。
(インプットからアウトプットへ)

理由として、技術や知識は自分で考えて、
形に表すことでこそ習得できるものだからです。

自分で計画しないと、上司の指示を遂行することが
目的となり、そこに責任はないため、
強い決意で職人さんを動かせないわけです。

たとえ週間工程という短いスパンの工程であっても、
自分で考えてつくる、計画するのはかなり骨がおれます。
これまでそういうことをやったことがないなら、
頭を抱えてしまうかもしれないですね。

それでも、最適な工程でなくても形として工程表を作り、
その工程に基づいて現場を動かしていく。

ぜんぜん計画の通りに進まないかもしれません。
順序や必要日数が間違ってることもあると思います。
そういうことは、周りの先輩や上司がフォローすれば
いいだけです。

重要なのは、責任を持たせる、ということなんです。

その新人・若手が計画した工程の結果、
さまざまな不具合や影響が発生する。
それを目の当たりにする。
そこでようやく、工程管理をするということの
重要性を認識できるんですね。

上司から与えられた工程表は、
極端に言えば、そのとおりに現場が進まなくても、
新人・若手にとっては他人事なんです。

これはその新人が悪いのではなく、
責任が持たされていない業務に関しては、
多くの人は同じ無責任感覚を抱くのがふつう
なんですね。

逆に、仕事を少しでも早く身につけたいなら、
また習得させたいなら、責任・権限をできるだけ
委譲することが有効です。
経営者や上司にそれだけの覚悟が必要ということでも
ありますね。

まとめ

経験の浅い新人・若手現場監督に工程管理を
教えるときは、ただ工程表を渡して参考にしろ・・・というだけでは
まったく効果がありません。

工程管理を身につけてもらうためには、3つのポイントがあるんです。

①全体を把握させる
②細部を記録させる
③計画させる


基本的な知識を与え、必要な情報を収集させて、
最終的には自ら工程計画をたてるというアウトプットまで
もっていく。

新人・若手監督たちにとって細かく大変な作業が伴いますが、
同時に、経営者や上司にとっても手間を惜しまず、
かつ責任を持たせるという、覚悟も必要
です。

そのような育成環境を確保することで、
新人・若手の成長が確かなものになるんですね。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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