アーキラニングの藤原です。
新人・若手現場監督の教育・育成について
日々研究しています。
今回は、
SQDC管理のS、
Safety:安全についてです。
最初に質問です。
あなたの会社の現場で、
今までに事故・災害が起こったことは
ありますか?
幸いにも、
無事故無災害でこれまできたなら、
これからもこのまま行きたいですよね。
もし、
小さな災害ひとつでも、
起こしたことがあるなら、
今後絶対に事故や災害を
起こしたくない、と思うはず。
事故・災害を防ぐための、
基本中の基本であって、
かつ超効果的なやり方・・・
仕事がわかってる、
経営者、ベテランなら
必ず身についていること、
それが、若い世代に
正しく伝わっていなければ、
事故や災害が減るどころか、
今後増加していく恐れがあります。
題して、
現場の災害をなくすために、新人・若手現場監督に
教えるべき、たったひとつのこと!
です。
その、
たったひとつのこと・・とは、
現場をきれいに保つ!
あれ?
拍子抜けしましたか?
そういうあなたの現場では、
現場がきれい!と
胸を張って言えますか?
まあまあ片付いてるけど・・・
そんなレベルじゃ、
事故が減るレベルには
なっていませんよ。
では、詳しく見ていきますね。
建設現場の災害は、これ以上減らない?
建設業における災害死亡者数は、
年々減少しています。
これを見ると、
順調に減ってるように感じますが、
実は、ここ数年頭打ちになってるんです。
ここ10年、ほとんど変わりません。
現場の安全設備や、元請け、協力業者さんの
安全に対する取り組みが、
成果をだしてきたんですが、
組織としての取り組みが
限界にきています。
とすると、
これ以上死亡者数が減らない?
つまり事故・災害の発生数が
減っていかない・・・のか?
ということですね。
NO!
減らすことはできます!
また、減らし続けて、
ゼロにもっていかないといけないんです。
そのためには、
今まで見落としてきた基本を
あらためて深掘りする必要があります。
なぜ現場をきれいに保つと、災害が減るのか?
汚いよりきれいな方が良い・・
というのは誰でもわかります。
しかし、
災害が減る理由を理解していないと、
どこに直目すべきなのか?
具体的にどうするのか、
がわからないんです。
では、きれいに保つと
なぜ災害が減るのか・・・?
それは、
緊張感です。
ピン!とした適度な
張りが現場を包んでいる状態。
ちょっと抽象的なので、
わかりやすく言うと、
このきれいに調和のとれた状態を、
崩すとマズイと感じさせる
雰囲気がある、ということ。
汚すと目立つ、
誰が乱雑にしたか、すぐにわかってしまう。
みんなきれいにしていて、
自分だけが現場を汚したという、
汚名を背負うのはいやだ、
だから、
自分もこの状態に沿って
行動しないいけない。
という行動心理です。
また、
きれいという表面的な状態を
維持しようという心理と並行して、
行動も慎重になります。
不安全な、手間を惜しんだ作業を、
やるとマズイんじゃないか?
ピシっとしてるし、
即、厳しく指導されるんじゃないか、
あれこれ言われないよう、
ちゃんとしとこ・・
ちょっと本来の安全意識からは
外れていますが、
結果として安全行動に
つながっています。
まずは行動させることが先決です。
その行動を続けていれば、
習慣になり、
習慣でないこと、つまり
不安全行動をすると、
違和感を感じるようになるんですね。
これらの理由で、
事故・災害が減るわけです。
なぜ現場が乱雑になってしまうのか?
次に、現場が乱雑になってしまうわけ。
さきほどの話が理解できれば、
予想がつくと思います。
どうですか?
はい、そのとおりですね、
現場が乱雑になってしまうのは、
緊張感がない・・からですね。
最初はあったかもしれませんが、
いつのまにか緊張の糸が切れてしまった。
なぜ緊張が失われてしまうんでしょう?
それは、
妥協が大きな要因となってるんです。
業者さんが、
「ちょっとだけここに材料置かせて・・」
「すぐ済むから、手摺つけなくてもいいでしょ?」
「あとでまとめて掃除しますから」
それらの小さなわがままや、
言い分を、
「まあ、今回だけ」
「ちょっとだけなら・・・」
などと、許してしまう。
妥協してしまってるんですね。
一度妥協すれば、
許すハードルは低くなります。
なし崩し的に現場が
乱雑になっていくわけです。
資材の置き方など、見た目もそうだし、
行動も、どんどん
ずぼらに、いいかげんになって
行きます。
すべて、
緊張感が失われたからです。
きれいに保つための方法
では、きれいに保つためには、
どうすればいいのか?
緊張感を維持すればいいわけですけど、
具体的には、
現場監督が妥協しないようにする。
もっといえば、
妥協しなくて済む雰囲気にするわけです。
そのためには、
きれいに保つことが、安全を確保する
という大前提を、
現場の全員に周知させておく必要があります。
監督がうるさく言うのは、
きれいを維持するため、
つまり、
みんなの安全を思ってのこと、
そういう共通認識が必要です。
この現場では、
安全のためにきれいに保つことを、
基本の基本としていて、
だからそれが破られないよう、
注意もするし、
絶対に見過ごしませんよ、
だってあなたたちを
ケガさせたくないわけですから
当然ですよね・・・
そういう雰囲気というか、流れを、
日頃からつくるんです。
まずは、新規入場者教育で、
しっかり伝える。
朝礼、昼礼で、
ことあるごとに話す。
そうすることで、
職人さんも、現場監督みずからも、
この現場では、きれいに保つということを、
ほんっと意識してるんだな・・
と思ってもらえるようになるんです。
新人・若手にたたきこむ意味
これは、経営者や、
その現場の所長が、
率先していくことですが、
実行すべき新人や若手の現場監督が、
理解していないと、
現場で実践できません。
ただ先輩から、
「ちゃんと片付けさせろ」とか、
「掃除を毎日させないとだめだろ」と
指示されても、
きれいにする根本理由を理解していないと、
職人さんに、毅然とした態度で
注意や指導ができないんです。
強く職人さんから言われたとき、
確固たる信念、理由がなければ、
「なんか口うるさくいうのもなぁ」
「ちょこっとならいいか」
そんな妥協に走ってしまいます。
それが普通なんです。
だから、
しっかりたたきこまないといけない、
事故・災害を防ぐためには、
きれいに保つことが、
最重要だと。
これは、
経営者、先輩の責務です。
そのうち厳しく言うように
なるだろう・・と、
安易に考えていてはいけないんです。
まとめ
建設業の事故・災害は、
多大な努力で大きく減少しました。
しかし、ここ十年は横ばい状態です。
ここから事故・災害を、
特に死亡災害をゼロにもっていくためには、
基本を深く考え直すことが大切です。
現場の災害をなくすために、
新人・若手現場監督に教えるべき
たったひとつのこと!
それは、
「現場をきれいに保つ!」
ことです。
きれいに保ち続ける原動力は、
緊張感の維持なんです。
現場が緩んだときに、
事故が起き、
災害となるんです。
きれいに保つ、その意味を
経営者や先輩は、
新人や若手にしっかりと
たたきこんで、
彼らに実践させていく!
それが、
災害ゼロへとつながるんですね。
今回も読んでいただき、
ありがとうございました。
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