建設業界未経験者を有望な戦力と考えて、
採用に力を入れる建設会社が増えています。
でも、
未経験人材をうまく活用できていない会社も多いですね。
その原因はどこにあるのか?
こんにちは!
アーキラーニングの藤原です。
新人・若手現場監督を戦力化するための、
講座・研修を行っています。
今日は躯体工事の型枠工事、その中でも
【敷桟】という作業についてお話ししたいと思います。
現状:業界未経験者を採用する建設会社
今、あらゆる業界で人材不足と言われてます。
当然、建設業界もぜんぜん人が足りていない。
建築系の学生や、経験者の中途採用などの
標準的な建築系人材が、取り合いになってるわけです。
絶対数が減ってきているので、思ったような人数や
よい人材が採れない。
やはり条件のいい大企業へと流れてしまいます。
そこで、
建築系にこだわっていて人が採用できないくらいなら、
建設業界未経験でも、興味ややる気があれば
積極的に採用して育てていこう・・・となるわけですね。
で、
なんとかあなたの会社に入ってくれたわけですが、
思い描いていたようにはいかない。
育成に多少時間はかかることは覚悟していたけれど、
それ以前に、さっさとやめてしまったり、
あまりにも仕事を覚えてくれないなど・・・
さまざまな問題があって、頭を悩ませている
経営者もいると思います。
育成がうまくいかない原因と対策
なぜ、業界未経験者の育成がうまくいかないのか?
原因を3つに絞ってみました。
この3つの原因を取り除ければ、事態が好転していくはずです。
その3つの原因とは・・・
1. 安心感を与えていない
2.体系立てて教育していない
3.手間をかけていない
この3つの原因のどれか、または全部に該当していませんか?
いやー、うちの会社はそんなことない、
しっかり手間暇かけてやってるよ・・・
ほんとにそうでしょうか?意外と気を使ってるのは
入社した最初のころだけだったりします。
もし上記にあげた原因を放置したままだと、
どんどん状況は悪化しますよね、当然ながら。
どうなるかというと、
・そんなに早く?という段階で離職してしまう。
・総合力が身につかず、成長スピードが低いままである。
・放置されたように感じ、自力でのがんばりに限界を感じる。
といったことになってしまうわけです。
せっかく会社に入ってくれたのに、
離職という残念なことにはしたくありませんよね。
そうならないためには、
1の対策.不安要素をなくす
2の対策.体系的な教育を提供する
3の対策.接触回数・頻度を増やす
裏ワザ的なことではなく、原因となっているコトに対して、
正面から向き合って解決するだけです。
ここまで述べてきた、
建設業界未経験者の育成がうまくいかない3つの原因や、
その対策については、 核心だけしか述べていないので、
じゃあ具体的にどうするんだ?
ということになると思います。
ですのでこの後、 もう少し詳しく
具体的な内容で書いていきますね。
1つめの原因:安心感を与えていない
まず1つめの原因、「安心感を与えていない」です。
未経験の業界へやってきたひとは、不安でいっぱいです。
当然ですよね。
予備知識も武器も持たないで、戦場にいくようなものです。
もっと身近で考えるなら、
英語を話せない人が、ひとりでアメリカで暮らすようなものです。
よっぽどの能天気(ポジティブ思考)でなければ、
どうしよ、どうしよ、となるのがふつうです。
この不安を解消する必要があります。
でないとどこにも出かけられません。
仕事で言えば、のびのびと働けないということですね。
それでは安心感を与えるための、
一番かんたんで、でも基本的な方法とはどういうものか・・・。
それは、
「安心してください」と言ってあげることです。
・・・それだけ?
いえ、もちろん「安心してください」だけで
終わりじゃありませんよ。
そのコトバだけだと安心する根拠がありませんからね。
ただ順序として、
まず「安心してください」「大丈夫です」という
一言をかけてあげることが大事なんです。
そうすることで、少し落ち着きますよね。
そのあとに、
なぜなら〇〇というサポートがありますよ、とか、
一年目(二年目)は成長期間なので、どんどん間違えていいんです、とか
〇年でしっかり自立できるようプログラムが組んでありますから
ゆっくりこなしていけば大丈夫です、とか・・・
そういった具体的な安心の根拠となる声掛けを
してあげるんですね。
ようするに、
今現状なにもわからない、できない人でも
まったく問題がないんですよ、
これから覚えていけばいいんですよ、
ということをしっかり最初に理解させることが重要なんです。
確実に成長していけるための研修や教育カリキュラムなどを
提供する用意はありますから。
という具合に、確実に不安要素を取り除いてあげることが
大事です。
2つめの原因:体系立てて教育していない
育成がうまくいかない2つ目の原因として、
「体系立てて教育していない」ということがあります。
体系立ててというのは、カリキュラム通りに進めていけば
自然に成長でき、基本的な知識が漏れなく獲得できる
流れになっている・・・ということです。
昨日は△△について学習し、
今日は□□について学習し、
明日は〇〇について学習する。
△△と□□と○○は、内容がつながっているわけではなく、
難易度もバラバラ。
断片的な知識を、思いつきで教育される育成法。
これだと、理解度があがらないし、階段を上るように
着実にステップアップはまずできませんよね。
教える側も教わる側も効率が悪くて、
成長におどろくほど時間がかかってしまいます。
その不規則な指導に、未経験者がついてきてくれればいいですが、
最後までついていけずあきらめてしまう人が
多く出てしまうかもしれない・・・でるでしょうね確実に。
未経験者でもその業界で仕事を続けていくためには、
その本人に、「全然しらなかったけど、ちょっとずつ
わかることが増えてきた」とか、
「なんとなく内容がつながってきた」といったような
がんばればなんとかいけそう、という希望や期待感がもてるような
教育・指導体系になってないといけないんです。
「なんか・・・教えてもらってるけど、
ぜんぜんわからん・・・」という状態が続いてしまうと
最初にあった興味、やる気があっという間に消え失せてしまいます。
そうならないために体系的な教育を提供する必要が
あるんですね。
3つめの原因:手間をかけていない
育成がうまくいかない3つめの理由、
それは、「手間をかけていない」ということです。
研修も受けさせてるし、何かあったら言ってくるように
伝えてあるけど、それだけじゃダメなの?
ダメですね、それだけじゃ。
例えば月一回の面談を設定してるとしますね。
じっくり1時間話を聞くようにしてる。
一見親身になってるように思えますが、
普段から会話がない相手と、月に1回の頻度で
面談して、いろいろと話がでてくるでしょうか?
「いや、特にないです」
「まあ、なんとかがんばってます」
みたいな当たり障りのない面談で終わるのがオチです。
ここで言う「手間をかける」とは、
回数、頻度です。
一回の時間が5分でもオッケーです。
そのかわり、毎日ちょこっと話をする。
なにかにつけて声をかける。
最初は、「はぁ」とか「まぁ」とか、
会話にすらならないかもしれません。
でもそのうち一言が二言になり、短いけれども会話に
なっていくわけです。
接触回数が多くなれば顔も覚えてみ慣れてきます。
そうすると徐々に発話するハードルも下がっていきます。
つまり、長い間(ま)を空けず、短い頻度で
接触を繰り返す手間をかける・・・ということです。
これが
「気にかけてくれている感」
「何かあったらすぐ話せる気軽感」を
未経験者が感じてくれるようになるために
必要な手間ということです。
まとめ
今後も続くであろう建設業界の人材不足問題。
中小建設会社であれば、最重要課題です。
建築系の学生や経験者が確保できないなら、
当然、業界未経験者に目を向けて、
自社で建築技術者として育成するということになります。
しかし、
難しいのは業界未経験者が入社してからです。
手を打たず、徐々に慣れていけば仕事も覚えていくだろう・・・
なんてのんきに構えていると、結局ひとりも残らないという
最悪の事態もありえます。
業界未経験者の育成がうまくいかない原因を、
今回は3つに絞ってピックアップし、
その対策も述べてきました。
3つの原因、それは、
1. 安心感を与えていない
2.体系立てて教育していない
3.手間をかけていない
その対策として、
1の対策.不安要素をなくす
2の対策.体系的な教育を提供する
3の対策. 接触回数・頻度を増やす
それぞれについて具体的に説明しました。
今回の内容を参考にして
業界未経験者の育成を成功させてくださいね。
今回も読んでいただき、ありがとうございました。
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