「自分のコトバで話す」を若手現場監督に理解させるには!

「そんな説明じゃ伝わらない、自分のコトバで話せ」
こんなアドバイスを部下にしたことがありませんか?
このアドバイス、新人や若手現場監督の
助けになっているんでしょうか?


アーキラーニングの藤原です。

新人・若手現場監督を戦力化するための、
講座・研修を行っています。

 

「自分のコトバで話せ」というアドバイス。
実はこれだけではアドバイスになっていないんです。
それどころか新人・若手からは、「??意味不明」と
思われているかもしれませんよ。

「自分の言葉で話す」の意味を、
上司であるあなたは正しく説明できますか?
できないなら・・・
あなたこそ自分のコトバで話していないってことなんです。

「自分のコトバで話せ」という指導を、
ほんとうに役立つアドバイスとするために、
詳しく解説していきますね。

こんな風に使われてる、「自分の言葉で話せ」

朝礼や打合せなどで、新人・若手現場監督が話したあと、
「うーん、なんだかなぁ。棒読みだしいまいちだな・・・」
そう感じて、上司が若手にアドバイスすることがあります。

「そんな説明じゃ伝わらない、自分のコトバで話せ」
といった具合。
言った上司はタメになるアドバイスをしたような気に
なってるかもしれません。
でも言われた若手は、??? ですよ。

(自分のコトバ・・・俺が話してるコトバは
 自分の口から出てるコトバですけど・・・)
「はぁ、わかりました」

ほんとはわかってませんけど、こういう返事が
返ってきたりします。

若手「自分のコトバってどういうことですか?」
もしこんな質問をされたらなんと答えてますか?

上司「うん?そりゃ・・相手に響くようなコトバってことだよ」
若手「・・・はぁなるほど」
(まったくなるほどとは思ってませんが)

アドバイスしてる上司も実はちゃんとわかってないんです。
なんとなくニュアンスはつかんでるけど、
相手に納得してもらう説明ができないことがほとんどですよね。

自分のコトバってどういうこと?

「自分のコトバ」というフレーズは便利に使えますが、
じゃあどういう意味なんでしょうか?

まず、自分で作ったコトバという意味ではありません。
オリジナルのコトバをひねり出せということではないんです。

もし個人個人オリジナルのコトバを作って、
そのオリジナルコトバを使っても、逆に意味が伝わらない、
本人しか理解できないということになってしまうでしょうね。

「自分のコトバ」とは、
「自分を通したコトバ」ということです。
わかりやすく言うと、そのコトバを使う私が
どう感じているか、それを感じさせるコトバということですね。

つまり自分が感じたことが入っていないならば、
それは「自分のコトバ」ではなく、
「借り物のコトバ」ということになるわけです。

たとえば「赤信号は渡ってはいけない」というコトバ。
①赤信号で渡ると車にひかれる危険性があるから
 渡ってはいけないルールなんです。
②赤信号で渡って、もしあなたがひかれてけがしたら、
 あなたの家族も、引いてしまったドライバーも
 すっごく悲しい気持ちになりますよね。
 そういうことを防ぐために赤信号を渡ってはいけない
 ルールがあるんです。

どちらが響くでしょうか?
事実だけを述べている①よりも、危険を冒すことで
大きな悲しみを引き起こしてしまう、そう感じていることを
述べている②.
どちらがより心に響くかはあきらかですよね。

より効果的に自分のコトバを使うために

ある事柄について、自分を通して感じたことを
相手に感じさせるコトバ。
そのようなコトバをより効果的に使うには、どうすればいいのか。
いくつかやり方がありますが、今回は3つのやり方を紹介します。

その① 自分が教えたいことを話す
あることについて話すとき、〇〇の説明をしよう・・
そういう風に考えてしまいます。
これとこれを話して、次にあれを話して、これも言っとかないといけない・・・

このような話し方だと要点が絞られず、ダラダラとただ長いだけの
コトバになってしまいますよね。

ではここだけは伝えたい、この部分だけは教えたいということだったら?
拙い(つたない)話し方になるかもしれないけど、
自分の知っているいろんな語句を駆使して、なんとか理解してもらおうと
しませんか?

その② 自分の体験で得た発見や比喩を話す
自分が実際に体験したことから気づいたこと。
テキストや本に載っていることよりもはるかに現実味や臨場感があります。
目の前の人が実際に体験したということで、
素直に聞き手の腑に落ちていきます。

聞く側は、目の前の話し手ののようなものを
感じ取りやすくなります。

ただ、すべてを体験できるわけではありません。
その場合は、疑似体験、つまりたとえ話や
比喩を使って話すわけです。

たとえや比喩は、実際に体験していなくても
自分に置き換えて想像しやすいんですね。
ただ事実を話すより、印象に残りやすくなる利点があります。

その③ 勇気をもって話す
勇気をもって話すって・・・ちょっとよく
わからないですよね。
正しいこと、正論というのは、じつは心に響きません。

なぜならその内容はわかりきっていることだし、
話し手独自の思いがそこには存在しないからです。
話し手は何のリスクも負っていないんですね。

リスクを負うって?いきなり書きましたが
どういうことでしょうか?

もしかしたらこれを話すと、一部の人は拒否反応を
示すかもしれない、受け入れてもらえないかもしれない、
そういうリスクを負うということです。

話し手の弱点や欠点、失敗の経験を含んでいたり、
聞き手の感情を害するようなむき出しのコトバである
場合もあります。

でもその内容は、劇的に効果的であったり強く心に
響くかもしれないんですね。
良薬口に苦しということわざもあります。

本当に相手のためになると思うなら、
嫌われる覚悟をもって話す。そういう姿勢が、
自分のコトバとなって聞き手に突き刺さるんです。

まとめ

「自分のコトバで話せ」・・・言うのは簡単ですが、
実践させるのは大変です。
アドバイスしてる本人だって、自分のコトバを使ってない、
またはよくわかってないからです。

自分のコトバで話すとは、
自分を通して感じたことを、どうにかして相手に伝えたい、
教えたいという熱をともないます。

痛くもかゆくもない正論を述べるのではなく、
これを言ったら嫌われるかも、反論がくるかも、
そういったリスクを負ってでも、それでも相手のために話す。
そういうことなんですね。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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