こんにちは!
アーキラーニングの藤原です。
今日はですね【記述添削シリーズ】の1回目として
受講生の解答例を使って、どんな指導をしたらいいのか話していきたいと思います。
お題は「現場打ち杭のベントナイト液」です。
これでどんな問題を出すかというと
「現場打ち杭でベントナイト液を注水するのはなぜか」という問題です。
受講生はどんな答えを書いてくると思いますか?
結構な割合で「土が崩れないように」って書いてきます。
もちろんベントナイト液を入れることで土が崩れないというのは正しい。
合っているんですが、これで正解にしてしまうと指導としては物足りない。
受講生はこれ以上の力がつかないということになってしまいます。
では、これに対してどんな添削やアドバイスをするのかというと
ベントナイト液というのがどんな特徴を持っているのかを教えて理解を深めてもらう。
ベントナイト液の一番の特徴は「粘度が高い」ということですね。
ベントナイト液というのは様々な材料が配合されることで、清水(せいすい)、普通の水よりもドロッとしています。その粘度の高さで孔壁を抑えて崩壊を防ぐんですよね。
【ここは少し余談です。いま「孔壁」という言葉を使いましたが、指導する際は(理解度によりますが)技術者として専門的な用語を覚えさせる意味でも「杭の穴」より「孔壁」という言葉で指導した方がいいです】
話を戻します。
ベントナイト液の特徴を理解してもらって、最終的に「粘度が高いベントナイト液を使うことで孔壁を抑えて崩れることを防ぐため」と回答できるところまで到達できれば指導としてはゴールです。
そんなわけで、ここまではいつもの添削や講義でも教えることなんですが、
そもそも「なんで崩れちゃダメなのか」っていうところがありますよね。
もちろん崩れてはダメなんですが、なぜ崩れないようにしなきゃいけないのか。
そこまで突っ込んで話すと「なぜベントナイト液を注水する手順が必要なのか」が
さらに深いレベルで理解できるんです。
例えばですね、こういう杭の孔があります。
これが崩れるということはですね、こういうふうになっちゃうわけですよね。
崩れた部分は杭の孔が大きくなってしまうので、必要なコンクリートの量が増えてしまう。
使わなくてもいいコンクリートが増えることで当然コストが増になる。
さらに崩れた土が底に溜まるので、これを除去するための手間と時間が余計にかかってしまい作業性が落ちる。
こういったことをなくすためにベントナイト液を注水して崩れないようにしているんです。
そこまで説明してようやく「なぜベントナイト液を使うのか」を根本のところまで理解できるということです。ここまで理解すれば作業全体の一連の流れが結びついて忘れにくくなりますよね。
技術力として定着しやすくなるということです。
今回は、場所打ち杭のベントナイト液について
「崩れないようにするため」で終わるんじゃなくて「ベントナイト液を使う理由」まで踏み込んで教えることで、より技術力がアップしますよ!という話でした。
またこのような添削を例にとってお話ししたいと思います。
次回もぜひお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました!