若手現場監督へ。床付けの注意点!【土工事】

こんにちは!

アーキラーニングの藤原です。

今日は土工事における「床付けの注意点」について2点お話ししたいと思います。
新入社員や若手社員に教える立場の方は「どう教えたらよいか」という観点で
ご覧いただけると幸いです。

床付けというのはなにかというと
地盤を計画された深さで掘り揃えるということです。

地盤を基準の高さから3メートルの深さまで掘るとしましょう。
その深さで地盤を水平に掘り揃えること
それを床付けといいます。

そして、この堀り揃えられた面を床付け面というわけなんですが、
ここから建物の基礎を作っていくわけですので高さの管理というのが重要になってきます。
高さの管理については注意点の2点目で説明します。

床付け面を作る、つまり床付けをする上で
注意点の1点目床付け面を乱さないということです。

床付け面を乱さないとはどういうことかというと、
地盤を水平に掘り揃えるときに
凸凹状態を作ってしまってから平らにするということはしない
ということです。

ざっくり掘削した後で
「掘りすぎたところは土を持ってきて最終的に水平になっていればいいんでしょ」
ってわけではないということです。

実際の工事ではどうしているのかというと、
床付け面の高さに近づいてきたら、慎重に少しずつ堀り揃えていきます。

決められた高さ以上に余計に掘ってしまわないように
慎重に高さを決めていく、測りながら決めていく
そういうことをしているんです。

でも、どうして乱してしまってはダメなのか?
そこを少しお話ししたいと思います。

もともとの地盤があって、計画された床付け面があります。
掘る前というのはこの部分に当然土が乗っかっているわけです。

例えばこの範囲でみると

1メートル×1メートルの範囲で高さが3メートルなので
3㎥分の土が工事をするまでずーっと乗っかっていたということですよね。

土の比重をだいたい1.6として計算すると3㎥で5トンぐらいです。
この1メートル×1メートルの範囲に
5トンもの土が乗っかっていたということになります。

それが数年なのか数十年なのか分かりませんけども、
ずーっとそれだけの重みで締め固められていたわけで、
地盤はバンバンに土が締まりまくっている状態なわけです。

建物の重さというのはものすごいですから
できるだけしっかりした地盤の上に建てたいですよね。

ということは、
このバンバンに締まっている地盤の上に建物を建てていく
というのが理想的な状なんです。

でもこれを乱してしまう、つまり掘りすぎてしまうと
埋めて転圧しないといけない。

転圧すると一見元通りの地盤に見えますが、地耐力は下がってしまうんです。

※地耐力というのは地面、地盤がどれくらいの重さに耐えられるかということです。

数年数十年土が乗っかった状態で締め固められていた地盤と、
昨日今日転圧した地盤とでは、
どうしたって転圧した方の地盤の地耐力が下がっちゃうわけですね。

なので、床付面を乱さないように注意するということなんです。
せっかくの地耐力が下がってしまうよっていうことですね。

そして注意点の2点目高さの管理です。

掘削というのは土工事を請け負った業者さんが
監督から指示された基準をもとに
高さを測りながら掘っていくわけなんですけれども、

職人さんがレベルをセットして
レーザーを回しながら高さを決めていきますよね。

このときに職人さんが、基準となるレベルや高さを
もしかしたら勘違いで間違えているかもしれないんです。

職人さんとしては別に悪気はないんです。
指示されたところから高さを出して
それはレーザーレベルなんかで測るんですけど、

そもそもの最初の設定が何か勘違いで
例えばスケールの読み間違いとかで
100ミリとか間違っちゃうことがあるわけです。
「うっかり」というのは起こりえますからね。

これ10ミリ、15ミリとかそういう誤差の範囲の間違いということではなくて
単純に勘違いとかそういうことによる
100ミリ、200ミリっていう単位での間違いっていう話です。

そこに現場監督が業者さん任せにしてて
「床付け完了しました」「はいOKです」なんて見もせず言っちゃって
そのまま工事を進めていってしまうと、

間違った高さのまま捨てコンを打ち、基礎を造っていく
ということになりかねないわけです。

このとき床付けのレベルが予定より+100ミリで仕上がっていたとしましょうか。

すると基礎の段階で100ミリ上に上がった状態でできてしまうので
地上部分の建物も100ミリ上に上がった状態でできあがっていきますよね。

ここまできてしまうと
それを設計図通りの高さに合わすなんてことはもう不可能なんですよね。

確認申請なんかで当然図面は出しているわけです。
例えばGLからの高さ、建物最高高さとかですね。
ここで建物の高さを設計者に変更してもらう、なんていうのは
もう現実的にはありえない話です。

床付け面というのは
最初にレベルの管理をしないといけない重要な部分なので、
ここで業者さん任せにしては絶対にいけないということです。

床付け面の最終確認、これは必ず監督が行う
ということです。

これは掘ったところを細かく全部やる必要はなくて、
ピックアップして3点ないし4点測れば大丈夫です。

100ミリも違っていたら明らかにおかしいので、
数か所測ればそんな間違いは即分かります。
なのでその手間を惜しまないようにしてほしいと思います。

ということで今回は「床付けの注意点」を2点お話ししました。

・床付け面を乱さない

・高さの管理に注意する ということですね。

教える立場の方は、ここまでお話ししてきたように
なぜかという理由まで教えてあげると、
床付けの重要さや一連の施工における床付けの位置付けが分かって
理解を深めてもらえるのではないかと思います。

今日の話はここまでとなります。

最後までご覧いただきありがとうございます。

アーキラーニングは新人・若手現場監督を育成する事業を行っています。

次回も皆様のお役に立つ話をしたいと思います。

ご期待ください。ではまた!

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